DDDD 『行動』だけが奇跡を起こす」の著者であり、ニューヨーク育ちの杉山さんは経営歴20年の経営者でありながら、3男1女、4人の子どもの父親です。忙しい中でもハツラツと行動し続ける杉山さんに、失敗をどう捉え、失敗から何を学んだかを伺いました。

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杉山 大輔(すぎやま だいすけ)
ビジネス・プロデューサー、プロインタビューアー(日英)、『私の哲学』 編集長、株式会社インターリテラシー 代表取締役
1979年東京都生まれ、ニューヨーク育ち。2002年慶應義塾大学総合政策学部卒業。2004年慶應義塾大学大学院経営管理研究科修了(MBA取得)。大学1年の時に教育コンサルティング会社を立ち上げる。2007年コミュニケーション問題の解決をはかる株式会社インターリテラシーを設立。『脱米論』(財)公共政策調査会主催、読売新聞社後援「“21世紀においてあるべきわが国のかたち”をいかに考えるか」優秀賞受賞。『守破離』 日本貿易会主催「ジャパンブランドの可能性」第2回日本貿易会賞優秀賞受賞。英検1級。Oxford Teacher Training Program 修了。著書に『行動する勇気』(フォレスト出版)、『運を動かせ』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)がある。@daisukesugiyama

©️ by Bob Takahashi   📷 by Yano Hidekuni 🎥 by Takuya Ogata

 

▼目次【本記事の内容】

  1. 行動のプロフェッショナルである杉山さんにインタビュー
  2. 言葉には力がある
  3. 前向きに受け止められない場合はどうしたらいいのか?
  4. 決断で人生が変わる
  5. 杉山さんの失敗談から学べる教訓まとめ

行動のプロフェッショナルである杉山さんにインタビュー

ーー杉山さんの過去の失敗や心が挫けそうになったことから学んだことを教えて頂けますか?

杉山さん:
僕は失敗って、ズバリ解釈の仕方だと思っています。目的があると変わると思うんです。
朝早く起きられるかどうかで例えてみます。塾で男子生徒を教えてるときに、彼はやる気がなく、朝起きられなかったとします。でも彼はバスケが好きだった訳です。

そんなやる気がなく、朝起きられない彼にこう伝えます。「明日の朝5時に起きればマイケルジョーダンに会えるんだけど、、君は起きるかい?」すると、高い確率で「はい!」と言いますよね。

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杉山さん:失敗ってすごく分かりやすい言葉ですが、考え方によって解釈が変わると思うんですよね。過去は変えられないのですが、過去の解釈って変えられるんですよ。だから僕は言葉の表現をすごく大事にしています。言葉って、言霊といいますから。

私は高校生の時にバスケットボールをやっていましたが、残念ながらそこまで強いチームではありませんでした。そのせいか高校生3年生のときに後輩が、「杉山先輩!先輩の引退試合っていつですか?」って聞いてきたんですよ。高校3年生になると、大会の試合に負けると引退になるんです。彼はそれを知ってか知らずか、「引退試合いつですか?」と聞いてきたんです。それって負ける前提で聞いていることになるので、3年生に対して失礼ですよね。

何を伝えたいのかというと、まず言葉の表現がとても大事です。その言葉の表現が次に繋がるんです。

つまり、その言葉を自分がどう捉えているかへと繋がるということです。失敗したときにそれを失敗と捉えるか、次への糧と捉えるかどうかだけなんです。

そう考えると言葉ってすごく大事ですよね。

言葉には力がある

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ーー確かに気づかないうちにネガティブな言葉を使ってしまっている時ってありますよね。

杉山さん:失敗って言葉はどことなくネガティブな印象ですよね。でも失敗を失敗と考えず、次に繋がる糧だと考えることができれば、次の行動へプラスとなり、色々とできるようになるわけです。

考え方が大事ということです。無意識に肯定的に捉えるか、否定的に捉えるか。この差はかなり大きいんです。

これは、好きな人をデートに誘う、お付き合いをする、仕事で成果を上げる、プレゼンコンペに応募するというシーンにおいても影響を与えます。どう捉えるかは、全てのことにおいて共通しているということが分かります。だから「仕事もクライアントも恋人のように考える」というのは大事な捉え方で、肯定的ですよね。

そして発言や考え方を、より肯定的にしていくには「実践」も大事です。デートの自然な誘い方は練習しない限りは上手にならないわけです。いきなり恋愛本のようにうまくは誘えませんよね。

例えばナンパするテクニックは何かっていうと、出来るだけ多くの人に声をかける。何故かというと慣れるからです笑。断られるクセが付くと、断られる恐怖感がなくなってしまういく訳ですよ。断られても次がある!と思うことができれば、次に繋がりますよね。それはまさに失敗を失敗と思わない心構えです。

考え方を変えていくには、日々意識する時間を作り、実践することです。だから全てにおいて「実践」は大事なんです。頭だけではなく、身体で覚えられますから。

元気のない時期の杉山さんに響いた言葉とは?

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ーーパワフルに行動し続ける杉山さんでも、元気がない時やヘコんだ時があったと思うのですが、それはどのような時でしたか?またどのようにしてその時期を克服しましたか?

杉山さん:私は働きすぎが原因で、動けなくなった時期があります。無気力で疲れていて、何にもしたくない状態が続いたんです。

その時期にお世話になっている先輩から、「巷の噂で元気がないとお聞きました」と連絡がきました。その先輩からいただいた連絡には、今お伝えしている「解釈」に関係することわざが書いてありました。

「人間、万事塞翁が馬」。その時期の私は、この言葉が深く胸に刺さりました。

人生における、幸不幸は予測し難い。幸せが不幸に、不幸が幸せにいつ転じるか分からない。安易に喜んだり、悲しんだりするべきではないということわざです。このことわざは、いま話しているテーマである「失敗談」に密接に関係している話だと思うんです。

自分が失敗だと思ったら、失敗となり落ち込んでしまう。けれども、失敗しても逆に学びになったと前向きに思うことで、人生大きく変わります。そういう人達が実は多いんです。

あのとき断られたから考え方が変わったとか、あのときダメだったからこそ逆に良くなったいうことです。僕がみなさんに失敗は沢山したほうがいいとお伝えするのはそのためです。

もちろん最初は試行錯誤だと思うんです。まずは失敗という言葉に対する意識を変えることがいいのかなと。

前向きに受け止められない場合はどうしたらいいのか?

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ーーありがとうございます。前向きな捉え方を今すぐにできない人はどうしたらいいでしょうか?また杉山さんはどの瞬間からそう受け止められるようになったのですか?

杉山さん:そこは徐々にできるなっていけばいいと思います。前向きな言葉を使い、行動していれば、いつの間にか自然にそう捉えられる日がきます。自転車に乗る練習をしていると、乗れる瞬間がいきなりくるじゃないですか。その自転車に乗れるようになった感覚を思い出してください。

いつも私の周りに伝えているのは、人は様々なチャンネルがあるということです。要するに悩むチャンネルがある訳で、そのチャンネルを切り替えるイメージです。私の子供にもチャンネル切り替えろといつも言っています。

切り替えるという作業は、慣れてくるとすぐにできるようになっていきます。

ここで私の著書「DDDD 『行動』だけが奇跡を起こす」に載っている2つのボックスについて、少し解説しますね。この本の肝と言っても良い部分です。

AとBの2つのボックスとは?

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AとBの2つのボックスがあります。

左側Aの「技術・センス・能力」のボックスは、磨くのに時間がかかります。例えば言語、絵を書く、文章力を磨くerc…などです。

右側Bの「意識・努力・覚悟・行動」のボックスは、慣れてくれば1秒で変えられるようになります。これは精神面・思考パターン・考え方・日々の行動全般etc…のことです。

例えば野球選手がいたとします。その野球選手はすでに、Aの「技術・センス・能力」を身に付けているとします。その結果ドラフト1位になりました。ですが大金が入ったせいか怠けて遊ぶようになり、全然練習をしなくなったとします。それは「意識・努力・覚悟・行動」を捨ててしまったのと一緒です。

いくらAの「技術・センス・能力」を身に付けていたとしても、「意識・努力・覚悟・行動」を捨ててしまえば、長く活躍し続けることは難しいでしょう。

この2つのボックス中で1番影響力があるのは意識なんです。心の中のチャンネルを切り替えるということはつまり、意識を変えることによって、努力・覚悟・行動へと繋がるのです。

ただ人間はユニークにできていて、強く意識したところで長くは続かないようにできています。短くて3秒、長くて3日です。三日坊主とよく言いますよね。「やるぞー!」って決めて、すぐに「もういいかな。。」と笑。

だから紙や手帳に書いて残すといった、毎日忘れないようにする行動が大事なんです。

失敗するのが怖いからって、恐れて行動しないのはオススメしません。

やると決めなきゃいけないんです。「もういいや」って諦めない限り。タバコを辞めたいんだったら、このタバコを吸い終わってからじゃなくて、いますぐにこの瞬間やめる。というイメージです。

決断で人生が変わる

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ーーその場で決めてしまうということですか?

杉山さん:そうです。
決めなければ物事って進まないんです。決断てそういうことですよね。決めて退路を断つということです。

ーーでは常に迷わずに決めていくことが大事なわけですね。

杉山さん:クヨクヨ悩まないって決めるんです。2007年の僕の話なのですが、当時すごい悩んでいました。その悩みをなぜ克服できたか?別の表現をすると、なんで僕は悩むの辞めたか?

シンプルに悩むのに飽きたのがきっかけです。「あぁ、今日また悩むのか。。」とだんだん面倒臭くなり、「もう悩むのやめよう!」と決心したんです。

だからまず決めなければいけないんです。決めるって重要です。

ーーでは杉山さんは常日頃から「決める」ということを習慣にしてるわけですか?

杉山さん:そうですね。今では自然と色々と決めていると思います。例えば、嫌なことされたら「この人とは会わない!」と決めれるじゃないですか。それも決めるという行為であり、決断です。

「この人嫌だけど、まぁ、どっかの時点で会わないようにしよう。」と徐々にフェードアウトしようとは思わないじゃないですか。「もうやだな。。」という時点で心が受理します。それが決断ですよ。だから嫌なことの方が、「決める」という行為をしているのが分かりやすいんですよ。

「これは嫌!」と決断している訳ですから。みなさんその行為が日常的すぎて、意識していないだけです。日々みなさん何かしら決めているんです。

みんな嫌いなものはハッキリしている

杉山さん:僕はビジネスプロデューサーという仕事をしていますが、クライアントへヒアリングする時に、「したくない事はなんですか?」とまず聞きます。

私のお世話になっている出版プロデューサーの方に、「本の営業ってどういうことをしたらいいんですか?」とアドバイスを求めると、「犯罪行為以外のことは全部出来ますね」っておっしゃってくれました。それってシンプルで分かりやすいなと思うんですよね。

例えばチラシを作る、webに告知する、新聞に載せてもらう、色んなこと出来るじゃないですか。レストランでも聞かれるじゃないですか?嫌いは食べ物ありますかとか、アレルギーはありますかとか。みんな嫌いなものっていうのはほぼハッキリしてるわけです。逆に好きなものは結構ボヤッとしてるんですよ。

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ーー確かにそうですね。私も今考えてみると、嫌いなものはパッと出てきます。

杉山さん:例えば女性へ、「嫌いな男性のタイプは?」と聞くと、「ケチで清潔感がなくて乱暴で…etc」と大体ハッキリしてるんですよ。それってよく考えると面白いですよね。

逆に「好きなタイプは?」と聞くと、抽象的でボヤッとしてるようなコメントが多い感じがします。

ーーみなさん嫌いなものはハッキリしてることが多いですね。

杉山さん:ただ生きていて難しいのが、嫌なことを嫌と言えない時です。心の中と現実とのギャップを感じてしまうと違和感を感じてしまい、みんな悩むんです。社会人として生きていく中で、なんでもハッキリと言ってしまうと角が立ちます。ここが難しいところです。

ただそこで悩んでしまって精神的に負担を感じるくらいなら、むしろ言ってしまった方がスッキリしますよ!シーンを見極めて、言おうと思えば言えるんです。だからまだ決断してないとも言えます。

朝起きるって決めたら起きなきゃいけない、でもそれが出来なかったらもう一回チャレンジすればいいだけの話なので全く問題ないです。

ただ、気持ちの切り替えと言うのは、長い期間で行うことじゃないんです。自分はどうやったら気持ちを切り替えることができるのか?その切り替えるきっかけとなるスイッチを知ることができれば、すぐ切り替えができるようになります!

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杉山さん:うちの次男は中学受験を頑張ったのですが、第一志望を落ちてしまいました。当時すごく苦しんだと思います。そのときに追い討ちをかけるように「もっと頑張って!」なんて言わないですよね。

「じゃあバッティングセンター行くぞ〜!」って言ってそこでもう切り替えて終わりです。その時はバッティングセンターに行くことが気持ちの切り替えスイッチということです。そこでクヨクヨ落ち込んで引きずるよりも、「落ちたし悩んでも仕方ないか!」と切り替えることが大事ですよね。

「だったらもう次のことしよう!」って気持ちを切り替えた方が良いんです。結論、考えを変えるってことなんですよ。

ーーやっぱりその解釈を変えるってところって、かなり大事なんですね。

杉山さん:かなり大事です。悩んでる方って、済んだことをずっと考えているんです。悩んでも悩んでも、過去の出来事は何も変わらないですからね。

ーー「う〜ん、あの時ああだったら。。」ってクヨクヨして、それがまた違う行動に繋がったりとかして、負の連鎖ですよね。

杉山さん:その通りです。だからもう「済んじゃったことは仕方ない。」っていう気持ちの切り替えはとても大事じゃないですか。自分が悪かったら謝ればいいですし、次どうすればいいかって考えればいいんです。シンプルです。

ーー気持ちの切り替えってまさに、決断ですよね。考え方を変えて、違う解釈に切り替えるという決断という行為を行えるかがポイントなんですね。では現在失敗をして悩んでいる方、困難にぶち当たって苦しんでいる方、これから失敗するかもと心配している方へメッセージをお願いします。

杉山さん:どうか諦めずに踏ん張ってください。その失敗は必ず明日の糧となります。私もそうでした。

失敗したときの受け止め方を、今から訓練しておけば、将来必ず役に立ちます。失敗から逃げ出さず、肯定的に受け止めてください。それがあなたの力となります。

どんどんチャレンジして、良い意味で失敗をたくさんしてください。応援しています!

ーー杉山さん、ありがとうございました!

この記事から学べる教訓まとめ

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  • 失敗は解釈の仕方が大事。過去は変えられないが、過去の解釈の仕方は変えることができる。
  • 失敗を次に繋がる糧と捉えれば、次へと繋がる。
  • 肯定的な言葉を使う習慣は、肯定的な行動へと繋がる。
  • 自分の気持ち切り替えスイッチを見つけること。
  • 決断して、行動すること。

今回のお話ししてくれた杉山さんの記事と著書はこちら

【前編】行動だけが人生を変える!行動のプロに聞く!心構えとその秘訣とは?

DDDD 「行動」だけが奇跡を起こす を詳しく見る